天然皮革について
200万年前、私たちの祖先は食物を得るために狩猟を行いました。
狩猟で得た動物からは肉の他に骨や皮が残ります。
骨は武器や道具に、そして皮は寒さや衝撃から身を守るために利用されました。
しかし動物の皮はそのままでは利用できません。硬くて腐敗してしまいます。
そこで私たちの祖先は、鞣し(なめし)という技術を考えだしました。
腐敗などにより変化しやすい皮(Skin)を長持ちする革(Leather)に変えたのです。
漢字の「鞣」は「革」と「柔」とからできています。
硬い皮を柔らかくする事により革は様々な用途に利用されました。
200万年前の祖先の生活とともに受け継がれてきた「革」は、もとは生きた動物の皮です。
皆さんの肌をよく見てください。色や傷跡などまるっきり同じ皮膚を持つ人間はいません。
動物の皮も同じです。この世の中に2枚として同じ革は存在しません。
しかしながら動物の種類、技術などにより出来得る限り同じに近い革を開発してきました。
そんな革の良さや特徴を多くの人達に知っていただきたいと思います。
革の種類と特徴
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牛
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羊
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山羊
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豚
国内生産で唯一まかなえる原皮です。毛穴が大きいため通気性がよく靴、袋物、小物の内装に使用されます。
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鹿
ディアスキンと呼ばれ、ソフトで手触りが良く軽く柔らかく伸縮性が高いですが、銀面が弱く剥離しやすいデメリットもあります。主に靴や手袋などに使用されます。
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馬
肌目がきめ細かいですが、牛革のように厚みはありません。特にお尻の部分の繊維が細かく光沢が美しいので、コードバンと呼ばれ珍重されます。
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爬虫類
ワニ、トカゲ、蛇、亀、駝鳥(オーストリッチ)などを総称して爬虫類と呼びます。国内ではエキゾチックレザーと呼ばれ、独特の模様が特徴です。高級品として販売されています。
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その他
水牛、ラマ、ペッカリー、カンガルー、象、あざらし、サメ、エイ、サーモンなど。
なめし方法について
⽪から⾰へ。
なめし方法の種類とその特徴についてご紹介します。
動物の⽪はそのままだと硬くなったり腐敗したりします。
これらを防ぎ、⽪を柔軟にし耐久性を加え、⾰として利⽤するために必要な作業なのです。
革の単位DS
1DS(デシ)とは、10cm×10cmの正方形の面積を表した単位です。革は本来、1枚単位で販売されますが、もともと動物の皮なので大きさや形が様々です。1枚の革をDS(デシ)という単位を使った面積で表示します。