革製品が濡れた時には!
「革製品って、濡れるとどうなっちゃうの?」
・濡れたまま放置すると
シミができたり
型崩れしたりすることがあります。
ひどい場合、そこから割れが生じることも。
例えば、靴の場合
白い粉がふいたようなシミが...
その正体は、塩分です。「塩浮き」などと呼ばれています。
主な原因は、人間の汗が蓄積されたものです。
その他に、新品の靴でもごくまれに
この「塩浮き」がおこることもあります。
皮は、革になめされる前に、腐敗を防ぐために塩漬けされています。
もちろん、なめしの工程前に水漬け作業は行われますが、
その塩分を完全にゼロにすることは難しいのです。
そのため、こういったことがおこることもあります。
「革製の靴やバッグなどが濡れた状態で、やってはいけないこと!」
雨で濡れた靴、明日も履かなきゃいけない!
だからといって
ドライヤーや、ストーブ、ファンヒーターなどの温風機や
こたつなどを使用してはいけません。
(※ただし、革靴でも使用できる「くつ乾燥機」であればOKです。)
【 理由 】
・熱によって、革の熱収縮がおき、コラーゲン分子が切れて
ゼラチン状態になるため、革が硬くなります。
革が焦げたり、硬くなることで、割れが生じることもあるからです。
「じゃあ、濡れた時はどうしたらいいの?」
【 対処法 】
まずは、濡れた靴やバッグは、布やキッチンペーパーのようなもので
トントンと叩くように、優しくふいてください。
その後、新聞紙やキッチンペーパーなどを丸めたものを入れて
水分をしっかりとるため陰干ししましょう。
また、濡れが激しい場合は、新聞紙を何回か取り替えて乾かしましょう。
乾いたあとは、保湿クリーム(乳化性)などを塗るのがよいと思います。
長く大切に履きたいのであれば、1ヶ月に1度ぐらい
保湿クリームを塗るお手入れがおすすめです。
革靴の場合、毎日履かないことや、雨の日は履かないことがベストですね。
また最低2足を交互に履くようにするのがよいのではないでしょうか。
私の場合は、革靴や革のスニーカーを履いた日は
まずは埃や汚れをブラシで軽くはらい、濡れていなくても
必ず新聞紙を丸めて入れて、陰干しをしています。
「 バッグ の場合の注意点 」
濡れた場合の対処法は、靴とほぼ同じですが
絶対しないほうが良い点があります。
バッグは、地面に置かないこと!
道路や、駅のホーム他
自動車や電車が通る路面には、鉄粉が巻散らされています。
タンニンと、鉄がふれると、結合して黒くなります。
濡れたバッグを直置きしたり、濡れた路面に直置きしたりすることで
タンニンなめしの革で作ったバッグが
黒く変色したりすることもあるのです。
すぐに変色しなくても、時間が経過してから出てくることもあります。
革が悪いのではなく、ご使用方法に問題があることも多いです。
路面に限らず、バッグを置く時は
テーブルや床に、水や液体がこぼれていないか必ず確認しましょう~!
上質な革で作られた靴やバッグなど
大切にお手入れして使えば、いつまでも使えます。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で
お休みの日も外出できませんし
色々なご事情が重なり、ご自宅におられることも多いと思います。
この機会に、お手持ちのバッグや靴の点検・お手入れも
してあげてくださいね。
営業部 店頭
浜辺 とも子